あたしの愛、幾らで買いますか?
まるで


『俺は売り物だ
 硝子ケースに詰め込まれた人形だ』


そんな風に聞こえた。

凄く心が痛かった。

どうして、あたしの胸が痛むのだろう?

きっと朔羅は

もっともっと苦しいはずだ。

どうしたら、

彼の苦しみを減らすことが出来るのだろう。


あたしは、熱めのシャワーを浴びながら

考えていた。


「はぁ…」


朔羅が暖めてくれたのだろう、

お湯が丁度いい温かさだった。

あたしは大きく息を吐き、

ここ数日の出来事を振り返ってみた。



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