あたしの愛、幾らで買いますか?
たった、それだけの文章で

あたしは両親と何の繋がりも

なくなったような気がした。

何故だか、そう思った。


あたしは携帯に怒りをこめて

真っ白な革張りのソファに向かって

投げた。

理由は簡単。

音が出ないし、壊れないし。

ぐっすり眠っている朔羅の睡眠を

妨げるような事はしたくはなかった。


あたしはコーヒーメーカーに

フィルターを被せコーヒーの粉末を入れた。

相変わらずカフェオレが好きなあたしは、

少しだけ濃いめにコーヒーを入れる。


時計は朝の8時を指していた。


いつもなら、

この時間に彼は起きてくるはずだけれど、

起きてくる気配が無い。





< 323 / 484 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop