あたしの愛、幾らで買いますか?
彼は枕元に携帯を置いている。

いつも、そのアラームが鳴り起きるのだ。

今日は、そのアラームが鳴らない。


あたしはプライベートルームへと行き

そっと彼に声をかける。


「朔羅?
 8時だけど起きないの?」

「ん~…」


彼は、まだ夢の中に居るようだ。


「今日は仕事は無いの?」

「あそこのカレンダーに
 予定…書いてない?」

「えっと…」


彼は部屋に貼ってあるカレンダーに

予定を書き込んでいるのだ。

何も書いていない日が殆ど無い。

だけど、今日の日付のところには

こう書いてあった。


【完OFF】


業界用語とか、

そういうのは全く解らないから

書いてあるまま、彼に伝える。




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