あたしの愛、幾らで買いますか?
あたしは、朔羅に買って貰った

水色のエプロンのポケットに入れている

携帯が震えたのを感じた。

カフェオレを飲みながら、

折りたたまれているそれを開く。


【送信者:エリ】


エリからのメール。

実は、学校へ行かなくてもエリとは

少しだけ連絡を取っていた。

他愛も無い話で盛り上がったりしている。


【おはー★
 今日から学校ダルー…
 歩美は、今日は学校来る??
 エリは歩美に会いたいぞぉ!!】


たったそれだけのメールだったけど、

素直に嬉しかった。

会いたいと思ってくれる人が居るって

こんなにも心が温かくなるんだと感じた。


あたしは親指を動かして

カチカチと音を鳴らしながら、

エリへの返事を打つ。


【送信先:エリ】


少しだけ、あたしは心を痛めながら

文章を作る。


ごめんね、エリ。

あたし

もう学校行かないんだ。

次に行く時は


退学届けを出しに行く時。


そう決めてるんだ。

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