あたしの愛、幾らで買いますか?
―カチャ…


リビングの扉が開いた。

朔羅がシャワーから出たのだ。

今日はキャラクターもののバスタオルで

髪をわしわしと拭きながら戻ってきた。


「お、和食だぁ」


そんな風に歓喜の声を上げる彼に

あたしは小さく笑みを浮かべる。


「たまには、
 和食で始めるのもいいかなぁって」


ちょっとだけ鼻が高くなるあたしに、

彼は頬を優しくつねってじゃれてきた。


「あゆはきっと
 いいお嫁さんになるね」


その言葉に思わず顔を赤らめる。


あたし、いいお嫁さん出来るかな…

朔羅の自慢のお嫁さんになれるかな…

というか、

なってもいいの?

いつか見た夢が、

現実になるの?




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