あたしの愛、幾らで買いますか?
「…ゆきちゃんは、
 こういうこと初めて?」


おじさんは唐突に

こんな事を聞いてきた。

くだらない。

だけど、あたしは、

そんな事を表情に出さずに、

にこやかに答える。


「どうして?
 そんな事聞くの?」


黙るおじさん。

あたしの予想通りの反応。


いつか

「処女?」

と聞かれて首を横に振ったとき、

その男は激怒した。

男はいつでも一番になりたい。

男はいつも

‘ハジメテ’

の話を聞きたがる。


そんな事を考えていたら、

あたしはベッドで洋服を

脱がされかけていた。

あたしの制服のボタンを一つ一つ外す。


さぁ少しだけ、

あたしの愛をあげてやろうじゃない。

今日は、お幾らかしら?

あたしの値段。

だから、あたしはおじさんと


『裸の会話』


をする。

あたしの喜びの声は少しずつ大きくなる。




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