あたしの愛、幾らで買いますか?
16章 透明人間
―…朔羅が居なくなった。
あたしは
ただ、
一人で眠りにつくには
広すぎるベッドに横たわっていた。
彼が居なくなってから
どのくらいの時間が経ったのだろう。
あたしは、そんな事に興味がないけれど
時間は確かに過ぎていった。
あたしは枕元にある携帯に手を伸ばして
親指を動かす。
―カチ…カチ…カチカチ…カチ…
【送信先:サクラ】
毎日、毎日、飽きる事無く
あたしは彼にメールを送り続けた。
【どうして?我が儘言わないから…
歩美を一人にしないで】
勝手に頬を伝う涙。
その涙が温かい事に
無性に腹が立っている自分が居た。
あたしが欲しい温もりは、
これじゃない。
ただ欲しいのは彼の…
あの温もりだけだ。
【送信しました】
携帯の画面に、そう告げられた。
あたしは
ただ、
一人で眠りにつくには
広すぎるベッドに横たわっていた。
彼が居なくなってから
どのくらいの時間が経ったのだろう。
あたしは、そんな事に興味がないけれど
時間は確かに過ぎていった。
あたしは枕元にある携帯に手を伸ばして
親指を動かす。
―カチ…カチ…カチカチ…カチ…
【送信先:サクラ】
毎日、毎日、飽きる事無く
あたしは彼にメールを送り続けた。
【どうして?我が儘言わないから…
歩美を一人にしないで】
勝手に頬を伝う涙。
その涙が温かい事に
無性に腹が立っている自分が居た。
あたしが欲しい温もりは、
これじゃない。
ただ欲しいのは彼の…
あの温もりだけだ。
【送信しました】
携帯の画面に、そう告げられた。