あたしの愛、幾らで買いますか?
『おはよう、あゆ』


携帯電話越しに聞こえる朔羅の甘い声。

その声に、

あたしは胸が少しだけ高鳴った。


「…おはよう」

『覚えてる?俺の名前』


忘れるわけが無かった。

何度呟いたか…。


「覚えてる…朔羅…」


あたしが言うと朔羅が「ふっ」と笑った。

その声が耳に当たってるみたいで、

くすぐったかった。




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