あたしの愛、幾らで買いますか?
綺麗な字で書かれた手紙。

朔羅からの最初で最後のラブレター。

嫌いになるわけない、

恨むはずもない、

あたしは朔羅の隣に居る事だけが

幸せだったのに。

あたしは広い世界なんて要らないんだよ。

朔羅とあたし、

小さな世界で生きていきたかった。


「さようなら」なんて言わないで。

あたしは貴方と一生を過ごしたかった。

朔羅、

貴方は意地悪ね。

あたし、

貴方の愛情が曲がっているなんて

思ったことないよ。

あたしと貴方にとっては

それが普通だったから。


ねぇ、朔羅。

本当にこれで終わりなの…?


あたしは泣きながら携帯を手に取り

彼のメモリを画面に表示させた。

通話ボタンを押して

携帯を耳に当てる。


【お客様のおかけになった電話番号は
 現在使われておりません】


そんなアナウンスが

耳に届いた。

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