あたしの愛、幾らで買いますか?
「久々だなぁ。
 安藤の笑った顔」


あたしも不思議だった。

自然と笑えていたのだ。

笹井はあたしの目を見て


「うん、目も生き返った。
 部屋で話聞かせろよ。
 どんな話でも聞くぜー?」


そう言った。


そして、二人で階段を駆け上がり

笹井の部屋に入った。

前に来た時より少しだけ散らかっていた。

床に数冊置いてある参考書、

大学の赤本…


どうやら、笹井は大学を受験するらしい。


「ごめんな、散らかってて」

「笹井…大学受験するの?」

「ん。まぁ…
 まだ学校は絞れてねぇけどな」

「ふぅん…」


大学に行くって言う事は、

将来の事も考えているんだろう。

笹井が、そんなこと考えているなんて

少し意外だった。



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