あたしの愛、幾らで買いますか?
「他人事なんかじゃないもん」


あたしは涙を零しながら

笹井に言い放った。


「朔羅の隣に
 ずっと居るって決めてた。
 だから、学校だって辞めた。
 だけど…」


あたしは喉の奥が苦しくって

言葉が出ない代わりに、

朔羅から貰った最初で最後のラブレターを

笹井に叩き付けた。

封筒は笹井の胸元に当った。


カサカサと封筒から数枚の便箋を出す笹井。

ゆっくりと目を通していた。

あたしは声を押し殺して泣いていた。

時折


「朔羅…」


そう呟きながら。




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