あたしの愛、幾らで買いますか?
「でも、百合子とヤったんでしょ?」

「ヤってねーよ」

「だって…
 昼休み二人で消えてたじゃん」

「俺は好きなやつとしかヤんねーの!
 なんか、ズルズルと
 安藤と‘体だけ~’
 みたいな感じだったけど
 俺は、お前が好きだから…」


なんだか、

急に照れ臭くなってきた。

まじまじと目を見て

真剣に思いを告げられたのは

初めての事だった。


「でも、あたし…
 笹井の想いに答えられないよ?」

「いいよ。それでも。
 そう簡単に
 ‘私、あなたの傍に居たいです’
 なんて言われても、
 こっちも疑問に思うし。
 お前は、あいつ…
 朔羅を忘れなくていい。
 俺を、あいつの変わりにしてくれたって
 構わない。
 寂しかったら、泣きたくなったら
 いつでも俺に連絡して。
 チャリンコで飛んでってやるよ」


今日のあたしは泣き虫だ。

よく涙が零れる。

悲しいわけじゃない。

心が洗われた気がした。

笹井の真っ直ぐな想いが嬉しかった。




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