あたしの愛、幾らで買いますか?
「バカにしてるの?」


百合子の声が1トーン下がる。

朝だというのに教室は静まり返った。


「あんたバカにしたところで
 得すると思う?」


今日のあたしは、いつもと違った。

その所為か、遠巻きに生徒が集まる。


「やばいんじゃない?」


そんな言葉も聞こえてくる。

あたしに言い返された百合子の怒りは

恐らく頂点だろう。

あたしが言い返すことなんて、

全くといい程ないからだ。


「何様?」


百合子は完全に見下した視線。

なぜなら、

あたしは椅子に座っているから。




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