あたしの愛、幾らで買いますか?
居酒屋から、あたしの家までは
自転車で10分の距離。
笹井はキッとブレーキをかけ、
あたしの頭に大きめの手をポンと乗せて
「また明日」
そう言って、微笑んでくれた。
「明日?」
「手紙、届くはずだから」
「あぁ…そういう意味ね」
「じゃ、明日」
「おやすみ」
颯爽と自転車をこぐ笹井。
彼の背中はすぐに消えていった。
だけど、
明日、また彼の拙い文字の手紙が
届くはず。
それが楽しみで堪らなかった。
あたしは家に入り、化粧を落として
部屋着に着替えた。
チェストから今日届いた笹井の手紙を
読み返すのだ。
寝る前に読み返すのが
あたしの日課になっていた。
今、目を閉じて暗闇に包まれて
明日、明るい朝日に照らされて
目を覚まそう。
一度は朝が来ないことを願ったあたし。
だけど、今は
朝が来る事が楽しみで仕方がない。
胸を躍らせて眠りにつく自分が
自分じゃないように感じる。
あたしを、そうさせたのは
笹井だった。
自転車で10分の距離。
笹井はキッとブレーキをかけ、
あたしの頭に大きめの手をポンと乗せて
「また明日」
そう言って、微笑んでくれた。
「明日?」
「手紙、届くはずだから」
「あぁ…そういう意味ね」
「じゃ、明日」
「おやすみ」
颯爽と自転車をこぐ笹井。
彼の背中はすぐに消えていった。
だけど、
明日、また彼の拙い文字の手紙が
届くはず。
それが楽しみで堪らなかった。
あたしは家に入り、化粧を落として
部屋着に着替えた。
チェストから今日届いた笹井の手紙を
読み返すのだ。
寝る前に読み返すのが
あたしの日課になっていた。
今、目を閉じて暗闇に包まれて
明日、明るい朝日に照らされて
目を覚まそう。
一度は朝が来ないことを願ったあたし。
だけど、今は
朝が来る事が楽しみで仕方がない。
胸を躍らせて眠りにつく自分が
自分じゃないように感じる。
あたしを、そうさせたのは
笹井だった。