あたしの愛、幾らで買いますか?
今日の封筒は淡いピンク色。

笹井には似合わなくて

ついつい噴出してしまった。

あたしは、それを大事に両手で持って

あたしの部屋へと急いだ。


カッターで丁寧に封を切る。

中にはやっぱり1枚だけの便箋。

あたしは、それに目を通した。


不意に溢れる涙。

勿論、悲しい涙なんかじゃない…

泣けるくらい

嬉しい一言が大きく書かれていた。



あたしは、すぐさま携帯を取り

彼に電話をした。


―RRRRR…


耳に届くコール音。

コール音がこんなにも

愛しく思えるのは何故だろう…


『もしもし』


あたしの携帯越しに

愛しい人の声が聞こえた。


「笹井、今日の手紙なに?」

『びっくりしたろ?』

「した」

『だろ?』

「字が下手すぎて
 びっくりした」

『そこかよ!』


あたしは泣きながら笑うという

なんとも微妙な表情だったに違いない。




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