あたしの愛、幾らで買いますか?
『で?返事の電話じゃないの?』

「そうだよ」

『…聞かせてくれるの?』


あたしは、もう一度

手紙を見た。

そこには大きな文字で


【4年後、結婚しよう】


と書いてあった。


「うん。いいよ」

『…おう』

「笹井は、あたしに
 4年の猶予をくれるんだね?」

『猶予って言うか、まだ高校生だし。
 春までは!』

「そうだったね」


声を上げて笑うあたし達。

だけど、

正直、まだ時々夢に朔羅が出てくる。

だから、朔羅から貰った

シルバーのネックレスは外せぬまま居た。

いつまでも外せないあたしに

本当は、笹井は…

彼は苛立っているのかもしれない。

でも、彼は


「急がなくていい」


と、あたしの気持ちを

汲み取ってくれているようだった。

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