あたしの愛、幾らで買いますか?
エピローグ~意味ある名前~
―タンタンタン
リズム良くキッチンに響く包丁の音。
コンロではコトコトと
鍋が火にかけられていた。
部屋に充満するクリームシチューの匂い。
小さな足達がパタパタとリビングや
廊下を行ったり来たりしていた。
「ママー!あゆむが
えみのことぶったー!」
「ちげぇし!えみが先に
おれの事蹴ったんだろっ」
甲高い泣き声と、
幼いながらにも怒りを表す声が交差する。
こんな賑やかなのにも
流石に慣れた。
「歩夢、叩いたらダメでしょ?」
「だって…えみだって…!」
「瑛美も、お兄ちゃんの事
蹴ったらダメでしょう?」
あたしは幼い二人の腕を優しく掴み
彼らに言い聞かせた。
「でも、ママ!
おれは…」
それでも主張する息子・歩夢。
「どっちが悪いとかじゃないでしょう?
二人とも悪いの。
はい、二人で‘ごめんなさい’して?
そしたら、ご飯の準備するからね」
「ほんとぉ?」
二人の瞳が輝きだした。
二人はすぐ向き合って
「ごめんね」
と和解をした。
…まぁ、この和解は
いつまで持つかわからないけれどね。
リズム良くキッチンに響く包丁の音。
コンロではコトコトと
鍋が火にかけられていた。
部屋に充満するクリームシチューの匂い。
小さな足達がパタパタとリビングや
廊下を行ったり来たりしていた。
「ママー!あゆむが
えみのことぶったー!」
「ちげぇし!えみが先に
おれの事蹴ったんだろっ」
甲高い泣き声と、
幼いながらにも怒りを表す声が交差する。
こんな賑やかなのにも
流石に慣れた。
「歩夢、叩いたらダメでしょ?」
「だって…えみだって…!」
「瑛美も、お兄ちゃんの事
蹴ったらダメでしょう?」
あたしは幼い二人の腕を優しく掴み
彼らに言い聞かせた。
「でも、ママ!
おれは…」
それでも主張する息子・歩夢。
「どっちが悪いとかじゃないでしょう?
二人とも悪いの。
はい、二人で‘ごめんなさい’して?
そしたら、ご飯の準備するからね」
「ほんとぉ?」
二人の瞳が輝きだした。
二人はすぐ向き合って
「ごめんね」
と和解をした。
…まぁ、この和解は
いつまで持つかわからないけれどね。