あたしの愛、幾らで買いますか?
「ねぇ、パパ。
 何さがしてるの?」


不思議そうに尋ねる歩夢。

そんな息子の頭をポンと撫でて

耳打ちした。


「あー!
 ないしょばなし、いっけないんだー」


幼稚園で先生に習ったのだろう。

瑛美があたしの足に隠れながら

彼らを指差した。


「歩夢、男同士の秘密だぞ?」


彼がそう呟いた後、

その秘密を守るべく、

歩夢は口を両手で押さえて

首を縦に振った。


親バカかも知れないけれど、

子供達の行動がいちいち可愛くて

仕方がないのだ。

この子達を守るためなら

あたしはなんだって出来る気がする。

子供はパワーの源だ。


「はい、歩美」


彼から手渡されたのは

小さな箱だった。



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