あたしの愛、幾らで買いますか?
イライラする。

今日も触れ合わなきゃいけない。

あたしの手は小刻みに震える。

イライラで頬の痛みは消えた…


「歩美~、大丈夫?」


そう声をかけて来たのは、

クラスメイトのエリ。

一応【友達】というカテゴリにいる。

だけど、

百合子と仲がいい事も事実。


「歩美…ほっぺ切れてる…
 絆創膏持ってるけど…」


エリの優しさは本物なのか、

嘘なのか。

凄くスレスレな感じがして、

会話はするけど、全てを打ち明けない。


「いや、平気だよ」

「でも…」

「絆創膏つけるの
 恥ずかしいじゃん?」

「そっか…
 気付かなくてゴメンね」


謝るのは、きっと断ったあたしが

するべき事…

…なんだよね。

だから、あたしは


「エリが謝ることじゃないよ」


そう言えば、円滑に済むと

無意識のうちに覚えた。




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