あたしの愛、幾らで買いますか?
ベッドに寝転がっているあたしは、

携帯をゴトンと手から床へと

すべり落とす。

やっぱり、

あたしには携帯は必要なさそうだ。

なんとなく、親に買ってもらったけれど

友達がほとんど居ないあたしには

基本使用料金が‘無駄金’に思えてくる。


ふと視線を枕もとの

茶色いテディーベアに向ける。

テディーベアの微笑が妙にムカつく。

ぬいぐるみにすら

馬鹿にされている気がする。


ボフッ


ベッドから上半身を起こして、

それを投げた。

罪のないぬいぐるみを投げるあたしが

学校での百合子と被る。


―気に食わないから、
 目の敵にする。


なんだ、

あたしも百合子と変わらない。

最低な奴だ。




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