あたしの愛、幾らで買いますか?
こんな奴を愛してくれる人が

居るはずもない。


ねぇ、

朔羅?

あたしね、

朔羅ならわかってくれると思ったんだ。

理由なんてないけれど…

ただ、

温もりが欲しいんだ。

……―違う。

愛が欲しいんだ…


カチ…カチ…


あたしは、リダイヤルを押す。

画面に再び現れる朔羅の番号。


だけど、

通話ボタンは押せなかった。

また、留守電に繋がったら

あたしは落ち込むんだ。

だから、あたしは

ベッドに潜り込む。



この日、あたしは

久々に涙で枕を濡らした。




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