あたしの愛、幾らで買いますか?
「ねぇ…」

「何?」

「これ…どこに向かってるの?」


あたしは目的地がどこなのか、

朔羅に尋ねてみた。

何度も夢に見たけれど、

あたしと朔羅が会うのは二度目…。

あたしも朔羅も知らない事だらけだった。


「ナイショ」


朔羅は正面を見たままニコリと微笑む。

あたしは、恐怖を覚えるどころか

このまま事故でもあえば良いのにと思った。

学校とか全てから逃げ出したいと思った。


「あ、あゆ」

「ん?」

「左側見てごらん」

「え…―?」


綺麗な水平線に太陽が沈もうとしていた。

夕焼け。

真っ赤な夕焼け。

海は太陽が反射してキラキラしていた。


「…綺麗」

「だろ?」


朔羅が誇らしげに言う。




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