あたしの愛、幾らで買いますか?
夕焼けなんて久々に見た。

夕焼けに感動するなんて、

自分自身が驚いた。

隣に居る人が違うだけで、

毎日見ているはずの夕焼けも、

こんなに綺麗に見えるんだ。


「あゆ?最近、夕焼け見てる?
 空、見てる?」


空…。

見てないなぁ。

いつも、下ばかり向いてるから。

アスファルトの地面ばかり見てる。

真っ直ぐに何かを見るなんて、

何年もしていない気がする。


朔羅は、何事もないように車を走らせる。

そして、

車は海が良く見える駐車場に入った。

車から降りた、あたし達は

そよ風が少し肌にまとわりつくけれど、

気にならなかった。


「朔羅…」

「何?」




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