あたしの愛、幾らで買いますか?
あたしの目頭が熱くなったのがわかる。

朔羅はズルイ。

サラッと言ってしまうんだ。

だから、初めて会った時、

初めてメールをくれた時、

初めて電話をした時、

彼の言葉が胡散臭く

感じたのかもしれない。


「ねぇ、朔羅…
 歩美を一人にしないでね」

「するわけないだろう?」

「…ありがとう」

「あゆ?
 眠いか?」


考えてみたら、昨夜は

あまり寝ていなかった。

それと、朔羅が隣に居る安心感の所為か

眠気がドッと出てきた。


「眠かったら寝ていいよ」


朔羅の甘い声がだんだん遠くなっていく。



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