I hate people.
roar of anger
小綺麗な部屋に、苛々とした空気が流れる。

その空気を増幅させるように、音は鳴り響いていた。


カチッ

カチッ


カチッ


「ちっ……」

ライターがきれた。

荻野 龍聖は、ゴミ箱の中にアルコールの切れたライターを放り投げた。

ライターは綺麗に弧を描き、ゴミ箱に落ちる。
横目でその様子を見る。

「きにいらねぇ……」

きにいらない。


とてつもなく、きにいらない。


荻野は、鋭利な眼で部屋のドアを見た。


そして、三十分ほど前までそこにいた人物を思い返した。


「きにいらねぇ……っ」

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