片思いの君はいけない友達
帰りは上り坂だったので
あたしが自転車を引いて歩いた
「一応お前後輩なんだから
先輩命令聞けよ」
微笑んで彼はそう言った
いやいや…一応女の子
なんだから女の子に自転車
おさせんなよ
心の中で呟いた(笑)
2人で歩く夜道は寒くて
静かだったけどなんか
すごく幸せだった
このまま時間がとまってほしい
そう感じた
「つ~~ん」
部屋に着くと宏樹は
あたしの胸を指で突っついた
「変態」
「いいじゃんいいじゃん」
彼は笑って遊んでいる
あたしは彼をシカトして
途中自販機で買ってきた
コーラを飲んだ
彼は諦めたのか
タバコを吸い出した
学校を中退して仕事をしている彼
今日は仕事が休みなので
寝ないと言い張るあたしを
強く抱き締めながら眠りにつく
もう3時半を回っていた
タクシーに乗るし帰る準備も
したいので4時には動き出したい
このままだと確実に寝てしまうので
あたしは布団から出ようとした
でもあたしの足には
彼の足が絡まって、
彼の腕はしっかりあたしを
抱きしめていたので布団から
出られなかった
仕方ないのであと30分
布団で過ごすことにした