桜に導かれし魂
でもまぁ楓を歩かすのは危ないからタクシーで家まで向かう。
「なぁ右京、さっきいってたこまちって妹?」
「あぁ、いま中3」
「ふ~ん。右京の妹だからかわいいんだろうな」
「えー、玲ちゃんこまち狙っちゃうの~?きょうちゃん怒るよ~(笑)」
「はぁ?!別にこまちとかどうでもいいし……」
「あ、でも~玲ちゃんはこまちのタイプっぽいかも♪」
「早く会いたいな~、こまちに」
「はは。もう呼び捨てだし。でもこまちと会うの久しぶりだな~。楓のこと覚えてるかな?」
「あたりまえだろ」
でもこまちはビックリするかもしれない。楓の病気にことも伝えてはいるけれど病気がわかってから楓と会うのは今日が初めてだ。
薬の副作用で髪もほとんど抜け落ちていまは黄色い薄手の生地でできたニット帽をかぶってる。だけどこまちはきっと普段と変わらない態度で楓に接してくれるはずだ。



「「着いた~!」」
なぜか玲夜までもがはしゃいでいる。
はぁ~。こまちのやつ怒ってるだろうな~…………。あ、そうだ!
「なぁ玲夜、このまま普通にドア開けて」
「はあ?意味わからんし」
「いいから、いいから」
よくわからないといった表情だけど玲夜はしぶしぶドアノブにてをかけて勢いよく扉を開けた。俺と楓はそのまま扉の後ろに隠れる。
「ただいま~」
バタバタバタ
お、きたきた。
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