桜に導かれし魂

「きょうちゃん!なにすねてんの。楓がいるじゃん♪」
「おわ!!」
すねかけていた俺に上機嫌な楓が後ろから抱き着いてきた。
嬉しいような、むなしいような………。
でもやっぱり嬉しい。
「かえ、楽しいか?」
「うん!たのしいよ、すっごく!」
お前が笑ってくれてたらそれだけでいいんだ。それだけで嬉しいんだよ。

「玲夜くん、今日はもう遅くなっちゃたし泊まっていかない?スウェットとかなら右京の貸すわよ。お風呂先にはいってらっしゃい」
「すみません、じゃあお言葉に甘えて」


とまあなんだかんだで玲夜も俺のうちに泊まることになった。でも俺とこまちの部屋じゃもう狭いだろうからと俺たち4人は客間で雑魚寝をすることになった。
思い出話でもしようかと思っていたのにはしゃぎすぎた楓はふとんにはいるとすぐに眠ってしまった。
 ちなみに右から楓、こまち、俺、玲夜の順番に寝転んでいる。
「おにーちゃん残念、かえねちゃったね~」
「はぁ?いみわからんし」
「寝ちゃったら手だせないもんな~」
なんなんだこいつらは。

だけどすごく楽しい1日だった。

みんな笑ってたから。
楓が笑ってたから。

俺は静かに目を伏せた。








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