桜に導かれし魂
楓は俺の手をとって
自分の自転車のハンドルをにぎらせる。
「はいはい。いきますか、お姫様」
「よろしく頼みますわ」
満足といわんばかりの笑顔をうかべた楓を
後ろに乗せてペダルを踏み
大きな坂道を勢いよくくだっていく。
俺の腰に手をまわしている楓からは
桃の匂いがした。
いつもと同じ匂いなのに
今日はなんだかちがう匂いな気がして……
するといきなり楓の腕の力が強まり
俺の背中に顔をうずめてきた。
「どうした?」
「ん~っ、右京いい匂いする~!
いっつも思ってたけど」
「そうか?なんもつけてないんだけどな」
右手をハンドルからはなし
制服の袖を匂ってみるけど
全くといっていいほど匂わない。
なんか匂うか?
うーん……わからん。
「シャンプーかな~?」
そういいながら俺の頭をなでて
にこにこしている楓を
素直にかわいいと思った。
すこし茶色がかったせみロングの髪を
なびかせて俺の後ろに座る楓は
はっきりいってモテモテだ。
中学でもいろんなやつとつきあっていた。
年上から年下までけっこう幅広く。
でも誰と付き合っていても
こうして毎日俺と登下校する楓に
みんな不満をもつのだろう、
どいつも長くは続ず楓自身別れの理由は
いつも決まっているとわかってはいるものの
俺との関係を保ち続けている。
俺も何度か注意してみたけれど、
楓は全く耳をかそうとしなかった。
自分の自転車のハンドルをにぎらせる。
「はいはい。いきますか、お姫様」
「よろしく頼みますわ」
満足といわんばかりの笑顔をうかべた楓を
後ろに乗せてペダルを踏み
大きな坂道を勢いよくくだっていく。
俺の腰に手をまわしている楓からは
桃の匂いがした。
いつもと同じ匂いなのに
今日はなんだかちがう匂いな気がして……
するといきなり楓の腕の力が強まり
俺の背中に顔をうずめてきた。
「どうした?」
「ん~っ、右京いい匂いする~!
いっつも思ってたけど」
「そうか?なんもつけてないんだけどな」
右手をハンドルからはなし
制服の袖を匂ってみるけど
全くといっていいほど匂わない。
なんか匂うか?
うーん……わからん。
「シャンプーかな~?」
そういいながら俺の頭をなでて
にこにこしている楓を
素直にかわいいと思った。
すこし茶色がかったせみロングの髪を
なびかせて俺の後ろに座る楓は
はっきりいってモテモテだ。
中学でもいろんなやつとつきあっていた。
年上から年下までけっこう幅広く。
でも誰と付き合っていても
こうして毎日俺と登下校する楓に
みんな不満をもつのだろう、
どいつも長くは続ず楓自身別れの理由は
いつも決まっているとわかってはいるものの
俺との関係を保ち続けている。
俺も何度か注意してみたけれど、
楓は全く耳をかそうとしなかった。