桜に導かれし魂
「先生!容態が!!」
?!
看護婦さんのその一言で廊下が静まり返った。
「佐伯さーん!聞こえますか?!佐伯さん!」
「心拍数は?」
集中治療室から先生たちの話し声が聞こえる。そしてしばらくしたあと病室の扉が開いた。
「ご家族の方はいらっしゃいますか?」
楓の両親は危篤の知らせをきいていまこっちに向かっている途中だった。俺が返事をしようとしたとき玲夜が唐突的に答えた。
「彼が兄です」
「れい
「彼が佐伯楓の兄です」
玲夜の言葉おきき先生は少し頭を下げておもぐるしく口を開いた。
「お兄さん、手は尽くしましたが………」
先生はそういって静かに首を振った。
「まだ息はあります。側にいてあげてください」
玲夜の一言で家族だと承認された俺だけが集中治療室に入ることを許された。



















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