桜に導かれし魂
手紙とともに
どうやってここまで来たのかは覚えてないが気づくと俺は集中治療室に移るまで楓がいた病室にいて隣には涙を流す玲夜がいた。
「…ごめん、右京。俺はお前に謝らなくちゃならない」
「…………なに」
「俺は楓と付き合ってない。楓は、俺は、嘘をついてたんだ」
「え?」
「お前に悲しい思いをさせないために。楓の最後の願いだったんだよ。きかないわけにはいかないだろ?」
やるせない微笑をうかべた玲夜は1枚の封筒を手渡し、俺に読むよう促した。
封筒のなかには一通の手紙が入っていた。
手紙を読み終えた俺は霊安室にいる楓のもとに息をするのも忘れて走った。
そしてもう冷たい彼女の横で泣き崩れた。