桜に導かれし魂
「あ!あったよ右京!
おんなしクラスだ♪」
ほんとにこいつちびだな~。
小さな楓がぴょんぴょん
ジャンプしながらみてきたクラスを
俺に教える。
「何組?」
「2組だよ!にーっ」
2組か。
「それじゃいくか」
「待ってよ右京~!」
俺の後ろをトコトコついてくる楓は
なんていうか……………………………
犬みたいだ。
2組につくと俺と楓以外の生徒は
もう全員席ついていた。
「おぉ。小湊、佐伯やっと来たか」
俺たちは先生に言われた席に座った。
俺は1番後ろで楓は隣の列の前から2番目。
「え~じゃあみんなそろったから
入学式いくぞ~。廊下に並べ~」
ガタガタと音をたててみんなが
席を立っていく。
最後のほうまで席を立とうとしない
俺の頭を楓がたたく。
「なにしてもおそいのね、ほら立って」
「はいはい」
お前は姑か……
今度は俺のほうが楓にトコトコついていく。
体育館に入場し、楓のふたつとなりに
腰かけ長い入学式を
うとうとしながらやりすごした。
教室に帰るときははいってきたときとは違う
通路を通りピロティーを渡る時に
さっきみた花びらたちが風に吹かれて
俺たちの横をすぎさっていく。
うわ………すげぇ。
なんともきれいな桜吹雪だ。
教室に帰るとHRがはじまった。
うそだろ~。
新学期早々やめてくれよ…………
さっきの入学式のときから
我慢していた眠気にたえきれず
初日だというのに俺は
もう机に頭を伏せていた。
俺の席はやわらかい日差しが
差し込む昼寝には最高のポジションだ。
背中がぽかぽかしてあったかい。
俺はそのまま深い眠りにおちていった。