桜に導かれし魂
「右京、ひとつだけ答えて!」
「……なに?」
「…………楓ちゃんは何処にいるの……?」
何処って………




「何処にでもいるし、何処にもいないのかもしれない………」
思い出せば楓はいつだって俺の側にいるし、俺が忘れてしまえば楓は消える。実体をなくした楓の居場所っていうのはそうことだろう?
そう言って立ち去る俺の背中に花びらたちが容赦なく降り注ぐ。

その花びらさえも悲しい。




「……右京………」
湖夏の呟くような声はもう俺の元には届かない。















部屋に戻るとそのままベットに突っ伏す。

俺の笑顔はそんなに痛々しいのか?
無理に笑ってるっていいたいのか?
俺は…どうしたら償える…………?











「かえ………」








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