君が知らなければいけない事実
ひどく
食べ終わった後も僕は
あのベンチに座っていた。
独りで、ずっと呆けていた。
また、風邪を
こじらせてしまうことも考えずに。
雲の流れを思うと
この季節はとても悲しい季節だ
と思った。
雪が降る雲、厚く覆われた空。
ひどく、冷たい空気。
天気が良くても、寒すぎる。
次第に声は枯れて
空に吸い込まれていった。
どのくらいそこにいただろうか。
僕はふらりと立ち上がり
家に戻る。
あの場所にいたのは数十分。
少し狭い空間で
僕は何を得たのだろう。