君が知らなければいけない事実
「いつから」
「昨日」
「大丈夫なの」
「さぁ、大丈夫なんじゃない。
昨日の今日で熱は下がったし」
ついでに、あなたへの気持ちも
また随分下がったし。
「そう」
「あぁ」
「ちょっと、佐藤さんの……」
ここで僕は不快になり
聴くことを放棄して
自分の部屋にこもった。
今日は、タイミングが悪い。
僕は、親が居ないことに
している。
それを伝えたし
理解してもらった。
生んでくれた親には悪いが
僕は嫌なのだ。
母(であった人)と
父(であった人)が
とてつもなく。
理由は、今は
知らなくていいんだ、今は。
病み上がりの身体は
またけだるげに熱を帯びだした。
外に居すぎたのだろう。
ゆっくりと目を閉じ
息がリズムよく流れ出した頃
確実に闇に落ちた。
また静かに。