君が知らなければいけない事実



これ以上は、聴いても
あまりいい話はないと思い
何も聴かないことにした。


初対面なのに馴れ馴れしく
聞けないのもあるが。


話題を変えて、話をふった。


「昨日も、同じようにして……
薬、かな?
……飲ませてくれたの?」


聴いたら、彼女は顔を赤らめた。

なんだ、まだ可愛さは
あるではないかと、何故だか
少しホッとした。


「……起こしたら、酷かなと」


それでも、さすがに
口移しはあまりしないだろう
と疑問に思いつつも。


「そう、ありがとう」


僕は、久しぶりにお礼を言った。


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