君が知らなければいけない事実
寒くても、動けなくて。
叫びたくても、叫べなく。
静かに、息をするのさえ
忘れてしまうほど。
それはたおやかに
とても切なく、美しかった……。
今、思い出しても
うっとりするほどに、それは美しく。
でも、何故こんな
中途半端な時間に
熱を出すのだろうか……。
ちょっとついていない気もした。
家には、誰も居ない。
こんな時によく
寂しいなどと思うが
そう思う自分がなんだか
酸っぱくなって
あまりそういったことを
考えないようにしていた。
重い身体を、壁で支えながら
僕は冷蔵庫のあるキッチンへ向かう。
独りで