君が知らなければいけない事実
腋に挟んでからしばらく
電子音が僕の熱を告げる。
君への熱かな、
そんな馬鹿らしいことを考えた。
「はい」
「……下がった、ようですね」
嬉嬉とした表情とはうらはらに
、どことなく残念そうな声に
僕は少しだけ、胸を抑えた。
不整脈だ。
君と接していると、
度々心臓が早くなるよ伊宇。
俯き体温計を見る、丸い頭。
僕よりも低い背。
独りよがりな考えは、
いつか人を苦しめるんだ。
そんなことは分かっているのに
何故だろうね……。
近づいたら君は、きっと僕を
受け入れるような、そんな気がした。
僕は
君のことが