君が知らなければいけない事実

いたはずなのに



何事もなく、
暇をもてあました僕は
自分の部屋を懇切丁寧に
掃除することにした。


しかし普段やらないことをやると、
神経を使うようで、イライラしたり
思い出に浸ったりしていたら、
眠気に襲われた。



「伊宇ー、水をくれないか……っと」


「あ、麗羅……伊宇ちゃんと、仲良くなれた?」



いつも居るはずの伊宇は居なくて、
そこには母が居た。



何故母が居るんだ。


この時間帯は居ないはず、
と疑問になる。

僕は、貴女のその目が
嫌いなんだ。

どこかがっかりしたその目が。


僕はあの人じゃ、ないよ。


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