君が知らなければいけない事実
目眩に似た感覚に、
視界が嫌なほど歪んだ。
「あぁ、まあまあ仲良くなれたよ。
熱を出したときに看病もしてくれた」
「お礼はちゃんと言ったの?」
「言ったに決まってるだろう。
俺だって最低限の礼儀くらいはできる」
「そう」
「ああ」
苦しくなり、これ以上の会話は
しなかった。
僕は自分で水をくみ、
それを飲み干したあとすぐに
自室に戻った。
イライラともなんとも
言えない感情が僕の中を
いっぱいにする。
ベッドに横になり、
あれこれ考えているうちに、
僕は眠りに堕ちていったようだった。