君が知らなければいけない事実


「麗羅さん、今まで寝てたんですか?」


「……恥ずかしながら」



どうやら、墓穴を掘ったようだった。

ここから先は会話が続いく。

僕がいつまで経っても
部屋から出てこないので、
心配になり来たらしいのだ。


そう言われて僕は今日やっと
初めて伊宇と話したことに気づいた。


リビングに向かいながら、
部屋の片付けをしていたら
寝ていてしまったことを話した。



「水、くれないかな」


「いいですよ」



何がおかしいのか、
少し微笑みながら
水を渡してくれた伊宇は言った。



「明日、手伝いますよ」


「そうしてくれると助かるよ」



僕も少し笑いながら言った。





僕の目には








君しか映らない


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