君が知らなければいけない事実



「ごめん」


「どっちの意味でですか?」


「……ため息です」


「なぜですか?」


謝ったことにどうやら、
疑問を感じたようで
少し考えながらの質問を
僕に投げ掛けてくる。



「それは、俺も伊宇と
同じ気持ちだから……」


そして続けて


「だから、うまく
返事のできない自分に
ため息をついた、というか」


本心が、口をついて出た。





< 44 / 56 >

この作品をシェア

pagetop