君が知らなければいけない事実
「四人家族だったの?」
「はい」
「そっか。いいよ、
伊宇のペースで続けて」
「まぁまぁ仲の良い家族でした。
しかし、父があんなに
可愛がっていた妹は、
不慮の事故であっけなく
死にました」
「母は泣きました。
父は狂ったように泣きました。
私は部屋で一人泣きました。
お葬式は内輪だけでやりました。
母がそう頼んで
きかなかったのです」
ふぅ、と息を吐いて
少し水を含み話す。