貴女は云った
愛しい貴女
「愛している」と貴女は言った。掠れた声で・・・。
そんな貴女が愛しくて、僕は強く抱きしめた。
朝になると、貴女は僕の隣から消えていて
僕の頭の中に残っているのは貴女が僕に
掠めた声で「愛してる」と言ってきて 涙を流す貴女の姿だけ。
どこにいるか と周りを見渡す。
そして 1歩踏み出そうとしたら、貴女は眠るように横たわっていた。
涙を溢れさせながら・・・。
貴女の頬に触れると まだ温かった。
だけど しだいに貴女は冷たくなっていった。
僕は必死にあたためようとした・・・
”まだ・・・生きているかもしれない””ただ部屋が寒いだけかもしれない”
そう考えていた。
・・いや そう考えていたかった。
貴女がこの世界にもう”いない”なんて考えたくなかった。
1%も・・・。
だけど。
貴女は 1つのけむりになった。
まっすぐ・・・まっすぐ・・・天へと向かう
一筋の白いけむりへと。