君に出会った奇跡

いつまでも

今日も屋上に来た。
べつに、綺羅に会いに来たわけではない。これ本当。

瑠維に会おうとしたが、綺羅と同じクラスだったと思い出して、なんとなくためらった。

綺羅は嫌いなタイプだ。なんとなくあいつに似ている。

あいつは女で、綺羅は男。でも、似ている。
あ、性別は関係ないか。

でも私は、彼と会うことを、なぜか躊躇していている気がする。
あいつに似ていること以外に。


とにかく、綺羅とは会いたくない。


今気づいたけど、屋上着たらまた会っちゃうんじゃない?


!!!!!今気づいた。

早く帰ろう。

「あ、いたいた、彩ちゃん。」

うわ、来たよ!会いたくなかったのに~。

「あ、俺だけじゃないよ。瑠維君もいるから~。」
「え、瑠維?瑠維~!」
「彩、ちゃんと飲んだ?」
「うん。飲んだ。」


『何か話見えないんだけど、ま、いっか。』

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