君に出会った奇跡

不幸か、幸せか。その道を選ぶのは私自身

彩side


ついに決闘の日が来た。


炎龍をつぶす。そのことに迷いは当然あった。


いままでも、明らかに悪いことをしていない人たちを粛正してきたことがある。決闘の直前まで、迷い迷い、不安になった。



でもいざ殴り合い蹴り合いが始まるとそんなこと、関係なくなっていた。周りに人の気配が瑠維だけになった瞬間、「自分」にハッとする。

みると、血の海に立っている。

そしてそのことに、微塵の恐怖も覚えなかった。


今回もそれだけだ。そう自分に言い聞かせる。


それだけなんだ、すぐ終わる。



何度も通いなれた炎龍の倉庫の扉の前に来た。


「彩、無理しなくてもいい。」


ずっとしゃべらなかった私に瑠維が気遣いながら言う。


「大丈夫。わたしそんな柔じゃないから」



・・・ちゃんと笑えていたかな?







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