君に出会った奇跡
足に力が入んなかった。ゆっくりと地面に落ちるわたしの体を、綺羅が支えた。



「綺羅。」




わたしはどれだけの愛をこの人からもらったのだろう。




「わたしも好きよ。そして、愛してる。」





どれだけこの言葉に「愛」を込めたのだろう。







「だから、」




涙が止まらない。




「生きて。生きて生きて生きぬいて、誰かほかの人と幸せになって。」




わたしなんかと一緒になったら、綺羅の身の破滅だよ。





とうの、の罪を背負うことなんてない。自由に、彼には飛んでほしい。






だってそんな綺羅が好きなんだもの。




自由に、高い高い空を見ている綺羅が好きだから。








「ばいばい。」








決心をしたのに、それでも。









涙は止まらない。







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