君に出会った奇跡
私たちの転校魔は毎回のことだった。早ければ一カ月で転校してしまうこともあった。


でもその都度、友達をたくさん作って、笑って、楽しくてしょうがなかった。


しかしそれも、小学生高学年ともなると、私たちの家柄や容姿で判断されるようになった



私たちは『塔野』の娘と息子。仲良くしておかないといけない。そう子供たちの親は言った。



その学校の人たちは私たちを奇妙な目で見た。



何で誕生日が違うのに同じ学年なのか?
私たちは本当に血のつながった兄弟だ。



そして六回目の転校先。
私たち兄弟は『塔野』の子だということを隠すことにした。自分たちの本物で友達になるために。




その学校でできた友達は茅野渉ちゃん。



その子はいっつも笑っていて太陽みたいだった。



私も瑠維もすぐ仲良くなった。



でもこの出会いが、






私たちも、そして渉ちゃん自身の運命を











変えてしまったのだ。








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