君に出会った奇跡
渉ちゃんにはすべてを話した。




それでも変わらないでいてくれた。






でも噂は、





広がってしまう。








「ねえ、彩ちゃんと瑠維君て、『塔野』の子なんだって!二人の前の転校してきたとこに私のいとこいるんだ。それで聞いたの!」



「うわ、こえー!」



「でも、『塔野』って、怒らせると怖そうじゃん。」



「じゃあ、仲良くしとかなきゃだね。」






それからみんな、よそよそしくて、怖いものを見る目で見た。




渉ちゃんは、それでも私たちといてくれた。










なにひとつ変わらずに。








でもこれが、














いけなかったのだ。














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