光〜君がくれたもの

良樹と教室に向かう途中、女が俺のところに寄ってきた


見覚えはあるが、思い出せない…誰だ


「あの私、藤村歩って言います。昨日はありがとうございました！」


昨日…？あぁ、アイツか


「別にアンタのためじゃないって言ったろ」


「ちょっと待てー！お前、こんな可愛い子とお知り合いなわけ？」


髪は肩より少し短いぐらいの長さで軽くウェーブがかかった茶色、目は大きく、スタイルも良い

確かに一般的には見れば可愛い要素はそろっているが俺は何とも思わなかった


「別に知り合いじゃねぇよ、俺はチンピラを殴っただけ」


「お前、それ助けたって言うんだよ」


「良かったらメアドか番号、交換してくれませんか？」

「あ〜私もお願いします！」

もう一人来たよ…


「面倒だからいい、じゃ」


同時にチャイムが鳴り、俺は教室に向かった



「ごめんね、アイツいっつもあんな感じなんだ。あっ俺、大前良樹。俺のアドレスで良ければ…」


「結構です！あ〜やっぱ壁は高いね。ってかあの人冷たすぎだよ」


「仕方ないよ。噂通りの人だったてことだね。でも矢吹くんが歩を助けたくれたんだ〜いいなぁ〜」



そう言って歩と奈緒も教室に向かった



それが二人の出会い

このとき怜王と歩の運命の歯車はもう動き始めていた